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5.高強度・超高強度コンクリート


高強度・超高強度コンクリートとは

JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)では、呼び強度50、55、60のコンクリートを高強度コンクリートと定義しています。
日本建築学会JASS 5では設計基準強度が36N/mm2を超えるコンクリートを高強度コンクリートと定義し、一般的に60N/mm2を超えるものについては、超高強度コンクリートと呼んでいます。
また、土木学会コンクリート標準示方書[施工編]では、設計基準強度が50〜100N/mm2までを高強度コンクリートと定義しています。高強度コンクリートを製造・施工するにあたり、必要事項は日本建築学会JASS 5の第17節及び土木学会コンクリート標準示方書[施工編]の第4章にそれぞれ記載し、詳細に記述されています。

表5−1 空気量の規定値

  凍害を受けるおそれがない場合 凍害を受けるおそれがある場合
JIS A 5308
レディーミクストコンクリート
4.5±1.5%
日本建築学会
JASS 5
3.0%以下を標準とする 4.5%を標準とする
土木学会コンクリート
標準示方書[施工編]
できるだけ小さく設定する
ことを基準とする
設計基準強度60N/mm2 4.0%*
設計基準強度80N/mm2 3.5%*
設計基準強度100N/mm2 3.0%*


*空気量の標準的な値

 

表5−2 設計基準強度(調合強度の概略値)と水セメント(結合材)比*7

設計基準強度
(N/mm2
調合強度の概略値
(N/mm2
水セメント比または
水結合材比(%)
18〜24 24〜30 50〜60程度
27〜36 33〜45 40〜50程度
39〜48 48〜60 30〜40程度
54〜60 70〜85 25〜30程度
80 100〜110 20〜25程度
100 120〜130 20〜22程度
120 140〜150 20以下

 

表5−3 単位水量、単位結合材量の参考値*8

水結合材比
(%)
単位量(kg/m3
結合材
45 165〜175 367〜389
40 160〜170 400〜425
35 160〜170 457〜486
30 160〜170 533〜567
25 155〜165 620〜660
22 150〜160 682〜727

 

表5−4 単位粗骨材かさ容積の標準的な範囲
(粗骨材の最大寸法20mmの場合)*9

スランプ(cm) 単位粗骨材かさ容積(m3/m3
18
21
23
0.60〜0.64
0.59〜0.63
0.58〜0.62


5−1 配(調)合の定め方

以下のフローチャートに高強度・超高強度コンクリートの配(調)合の定め方を示しますが、最終的に試験室または実機での試し練りを行うことをお奨めします。

これらの手順を踏んで室内試し練り、実機試し練りにより確認し、配(調)合を決定することをお奨めします。


5−2 高強度・超高強度コンクリートに高性能AE減水剤(高性能減水剤)を使用する場合の留意事項

高強度・超高強度コンクリートは、通常強度のコンクリートとは性状がやや異なることがありますので以下のことに留意して下さい。

(1)骨材の表面水の管理
高性能AE減水剤または高性能減水剤の使用量を増加させることによって単位水量はさらに小さくすることができますが、高強度・超高強度コンクリートは、骨材の表面水の変動による影響を受けやすく、スランプや圧縮強度がばらついたり、練混ぜ効率が悪くなる場合があります。

(2)運搬上の考慮
高性能AE減水剤または高性能減水剤を用いたコンクリートは、AE減水剤を用いたコンクリートよりもスランプの経時変化が小さいことが特徴ですが、運搬条件によってはスランプ(スランプフロー)の経時変化が大きくなる場合もありますので、配車計画、荷卸し計画などについて十分配慮することが必要です。また、通常強度のコンクリートと比較して粘性が大きく、ポンプ圧送時の配管内での圧送抵抗が大きくなるので、ポンプの機種の選定等に考慮する必要があります。

(3)表面仕上げ
通常のコンクリートと比較してブリーディングが少なくなる傾向にあるので、表面仕上げの時期や作業配分を十分に考慮してください。特に、暑中においてはプラスチックひび割れが発生しやすくなりますので、表面養生剤を散布したり水を噴霧したりしてコンクリート表面の水分が蒸発するのを防ぎ、コンクリートが均一に硬化するように、仕上げ作業のタイミングやその後の養生に留意が必要です。

(4)高性能AE減水剤(高性能減水剤)の選定
高性能AE減水剤または高性能減水剤については、JIS A 6204(コンクリート用化学混和剤)を参考にして選定します。
なお、高性能AE減水剤及び高性能減水剤については、製品情報に一覧表を示しています。

表5−5にNew RC施工基準に示されている調合の目安を、また、表5−6に実施工における配(調)合例を示しますので、参考にして下さい。

図5−1 粉体水比(水粉体比)と圧縮強度の関係*10

表5−5 高強度コンクリートの調合例(New RC、建研−混和剤協会実験)*11

設計基準強度
(N/mm2
水結合材比
(%)
スランプ
(cm)
空気量
(%)
細骨材率
(%)
単位粗骨材
かさ容積
(m3/m3
単位量(kg/m3
セメント 細骨材 粗骨材 SF 混和剤
40 40.0 18 4.0 44.9 0.62 170 425 765 961 - 高性能
AE
減水剤
60 30.0 21 3.5 41.4 0.62 165 550 676 972 -
80 25.0 24 2.0 42.6 0.60 155 558 693 943 62
100 22.0 25 3.0 41.5 0.58 154 630 639 899 70
備考)セメント:普通ポルトランドセメント、細骨材:大井川産砂、鬼怒川産砂、粗骨材:青梅産砕石、SF:粉末シリカフューム

表5−6 高強度コンクリートの配(調)合例 (実施工)

コンクリート
適用箇所
設計基準強度
(N/mm2
水結合材比
(%)
スランプフロー
(cm)
空気量
(%)
s/a
(%)
単位量(kg/m3 高性能AE
減水剤
セメント シリカフューム 細骨材 粗骨材 B×%
鋼管
コンクリート柱
60*12 31.0 60.0 1.5 48.6 175 516(N) 49 782 841 1.65
80*12 23.0 60.0 1.5 42.2 175 688(N) 73 613 841 1.9
80*13 25.0 67.5 2.0 49.2 165 660(L) - 777 837 1.4
橋梁(けた) 100*14 20.0 60.0 2.5 47.3 135 574(FB) 101 748 836 2.1
高層RC造 100*15 21.0 60.0 2.0 43.0 155 738
(N/スラグ石膏/SF:7/2/1)
648 878 2.8
備考)N:普通ポルトランドセメント、L:低熱ポルトランドセメント、FB:フライアッシュセメントB種、SF:粉末シリカフューム

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